海外在住の日本人家庭にとって、とても頭を悩ませる問題。それは「日本語教育をどうするか」ではないでしょうか。
渡航してすぐのときは上の子が「英語が分からず、現地校に馴染めない」ことで悩んでいたことが嘘のよう。
日本人家庭の我が家ですら、いつの間にか日本語教育について心配するようにもなってきました。
また、3歳の下の子は、日本語に触れる機会が日本にいるときより減ったため、上の子のときより言葉(日本語)の発達が遅いなと感じます。
子供は皆、適応力が高いから、普段触れることの多い言語にどんどん影響されていくよ。
今日は海外在住&駐在家庭の日本語教育のオススメの方法10選を紹介します。
自分自身の家庭の体験談はもちろん、身近にいる永住の国際結婚されているご家庭や駐在家庭でうまく教育されているなと思う例もどんどん紹介していきます。
- 海外在住&駐在家庭で、子供の日本語教育について悩んでいる
- 海外に移住or赴任することが決まっているが、日本語教育について不安がある
- バイリンガル育児に興味がある
海外在住家庭での日本語教育は3段階に分けられる
海外在住で日本語を学ぼうとすると、3つの段階があると考えます。
- 吸収期:日本語の発語がまだで、語彙をストックする時期
- 学習期:日本語をある程度話せ、文字を学ぶ時期
- 維持期:日本語で話せ、読めるので、そのスキルを維持する時期
我が家の子供は、上の子が「③維持期」、下の子が「①吸収期と②学習期の間」くらいで渡航しました。
個人的な感覚でいくと、「③維持期」に入り、ある程度本や漫画を読むことが好きな子であれば、日本語は維持はしやすいと思います。
ただ「書き」、特に「漢字の書き」は、しっかり学習機会を設けないと身につかないよね。
一方「①吸収期」だと、日本にいる子供に比べて日本語のシャワー量(日本語を聞く総量)が少なくないため、発語が遅くなる印象です。
「②学習期」も、日本だと街を歩いているだけでも自然と日本語が目に入りますが、海外だと日本語を目にする機会が少ないです。
ですので、「①吸収期」「②学習期」は特に、家庭でも日本語を触れさせるように意識する必要があると感じます。
海外在住家庭でのおすすめ日本語教育10選
それでは、以下、海外在住家庭でできる「10」の日本語教育を紹介していきます。
①家庭では基本的に日本語で話す
海外でのバイリンガル育児でよく言われるのは、「家庭では母国語を話してください」ということ。
現地校の先生にも、入学してすぐに「家庭では母国語」と言われたよ。
・言語が精神的な拠り所(母国を思う気持ち)になるから
・学校で英語を話していると、母国語からどんどん遠のいてしまうから
という理由だそう。
例えば、海外の現地校に通っていて、親が日本人家庭の場合は、家ではどんどん日本語を話すべきとのこと。
また、国際結婚をされている家庭は、日本人の親が日本語を話さないと、子供が日本語と触れ合う機会はありません。
日本語を今後も維持したいのであれば、家庭では日本人親は日本語を話すことを基本とすると良いかと思います。
②日本のテレビ番組を視聴する
一番親としてはラクな方法は、日本のテレビ番組を視聴させることだと思います。
日本で英語学習をされている方もよく英語の番組を視聴させているように、海外在住家庭でも日本語を学ぶには日本のテレビ番組が一番手っ取り早いです。
日本のテレビ番組を視聴するには、一番安くて手続きが簡単なのは、VPNを契約して、TVerやNHKプラスを使うことです。
VPNは、軍事力のセキュリティ&快適スピードのNord VPNがオススメ!月400円程度でコスパも◎
特に、NHKは本当に日本語教育にぴったりです。
VPN+無料のNHKプラスを使えば、NHK総合やEテレを日本と同じように楽しめるので、本当に助かっています。
小学生以上も、NHK for schoolには、日本の小学校の授業でも使うような素材がたくさんあるので、是非見てみてくださいね。
ピタゴラスイッチが大好きなので、海外でも視聴できるのは本当にありがたい。
Eテレのおかげで、日本語や日本文化を忘れず過ごせているよ。。
③日本の絵本の読み聞かせをする
言語学習をするにあたり、肝となってくるのは「絵本の読み聞かせ」。
日本でも、オーストラリアでも、幼児期の読み聞かせは大切だと言われます。
日本語の絵本はなかなか海外だと手に入りにくいですが、オーストラリアだと
- 大規模な図書館
- 日本人学校・日本語補習校(ただし、生徒に限る)
には日本語の絵本が置いてあります。
もしくは、facebookなどの日本人コミュニティで中古品の売買がなされていれば、そこで手に入れるのも良いかもしれません。
日本語の絵本が少なくて困っているのは、日本語を学ぶ海外在住家庭のあるあるだよね。
同じ境遇の日本人親同士で、助け合って貸し借りをしたりもしてるよ。
④日本語の好きな本・漫画を読む
子供が自分で本を読めるようになったら、とにかくその子の好きなジャンルの本や漫画を読ませてあげることだと思います。
特に漫画は、やはり子供も読みやすいようで、ひたすら熱中して読んでくれます。
上の子は一人で本を読めるようになってからの渡航だったので、読みに関しては、好きな本や漫画で何とか維持できています。
我が家は、子供の好きな本や漫画は楽天グローバルエクスプレスを使って日本から取り寄せています。
送料はかかりますが、とにかく手続きがスムーズなので、ストレスなく買い物ができ助かっています。
特に紙媒体の書籍にこだわらない場合は、電子書籍でも簡単に読むことができます。
・Kindle: amazonの電子書籍。kindle端末がなくても、スマホやタブレットでも読める。
・楽天Kobo : 楽天の電子書籍。アプリをダウンロードすればどの端末でも読める。
・U-NEXT :動画配信サービスU-NEXTは、漫画も読むことができるのでお得。
・eBookJapan :漫画の電子書籍と言えば、ebook。21万冊もあります。
本や漫画も電子書籍で買える時代になって本当にありがたい…!
⑤日本人プレイグループに所属するなど、日本人の友人と遊ぶ
お友達と遊びながら日本語を学べると、自然と日本語も身につきます。
例えば、地域によっては日本人の親子が集まるような日本人プレイグループがあると思います。
そういった場に顔を出して、日本人のお友達と遊ぶ機会を増やすと、自然と日本語が出てきやすくなると思います。
また、日本にいる祖父母とビデオ通話するのも、祖父母も喜び日本語にも触れられ、一石二鳥ですね。
⑥日本の通信教材などを使って勉強する
文字の読み書きを始める時期になると、日本の通信教材などの教材を使って勉強することもオススメです。
ちびむすドリルなど、無料の教材ダウンロードサイトもありますが、やはり通信教材となると子供が学びに興味を持ちやすいようにうまく作られています。
【こどもちゃれんじ】、【進研ゼミ小学講座】、Z会は、海外受講することもできるので、毎月の送料さえ気にならなければ受講してみるのも良いと思います。
我が家は七田式プリントを日本で購入・持参し、家庭学習中です。
⑦日本人学校・日本語補習校に通う
地域によっては、日本人学校や休日の日本語補習校もあると思います。
・日本人学校:日本の文科省が管轄する全日制の教育機関。日本の小学校のように、日本語で授業が行われる。
・日本語補習校:主に日本語の読み・書きについて学ぶ。休日など特定の曜日に行われる。
英語圏の駐在家庭では、小学校1、2年生までは現地校+日本語補習校、それ以降は勉強も本格的になってくるので日本人学校に通うケースが周りを見ていると多いように思います。
永住の家庭は、現地校+補習校で学ぶ人が多いですが、やはり学年があがるにつれて内容も難しくなってきます。
自分の学年でなく、日本語能力に合った学年に入れてもらうなど、補習校が苦痛にならないように工夫されている家庭もあるようです。
⑧日本の教科書を取り寄せる
海外で、日本人学校や日本語補習校に通う生徒はもちろん、通っていない子供も、公益財団法人 海外子女教育振興財団 から、日本の教科書を無償で受け取ることができます。
- 日本国籍を持っている(日本国籍を含む重国籍者も可)
- 日本の義務教育を受ける学年の(小学1年生~中学3年生)の子供である
- 海外で「在留届」を出していて、教科書無償配布を受ける子供も「同居家族」として登録されている
- 在留国に長期滞在中である
- 永住者の場合、将来日本で進学(または就労)する意思を持っている
配布時期は例年3月と9月(上下巻がある)で、申込時期も同じ3月と9月です。
年度途中の申込もできますので、気になる方は 公益財団法人 海外子女教育振興財団 のHPをご覧ください。
⑨日本のオンライン家庭教師で勉強する
日本でも、ステイホームが増えているこのご時世で、オンライン家庭教師の人気はあがっています。
海外でも、特に小学校中学年・高学年以降で、帰国が迫っている子供、帰国後に受験を控えている子供などは、日本のオンライン家庭教師のサービスを利用するケースも多いです。
親が教えようと思っても、親子だとうまくいかないことも、日本人の家庭教師の先生にオンラインで教えてもらうとスムーズだったりします。
⑩日本の学校に入学する
今のご時勢はなかなか難しいかもしれないですが、例えば永住のお子さんで、条件が整えば、日本に一時帰国し、幼稚園・学校に入学するという手もあります。
短期間だけでも日本で暮らすことで、劇的に日本語は伸びるとは思います。
まとめ
以上、海外在住家庭でできる日本語教育について紹介しました。
とりあえず、日々触れる日本語を増やし、可能であれば少しでも早く日本語の読みができるようになり、自分で日本語のコンテンツを楽しめるようになれば、維持がしやすくなると思います。
複数の言語を学習するのは非常に課題も多いと思いますが、できることから少しずつ、我が家も頑張っていきたいと思います。
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